よくわかる イネの生理と栽培

農文協 編

どうせイネをつくるなら、おいしい米を多収したい!
本書はその目的を目指して、
水を張った田んぼで育つイネの力を引き出す方法を、
太陽の光を最大利用する群落光合成の科学から
丁寧に明らかにしていく。

よくわかる

イネの生理と栽培

著者:農文協 編
定価:本体1,500円+税
ISBNコード:9784540142277
発行:2018/06
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 128ページ

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茎に発達したイネの通気系
上:浅水で管理、下:深水で管理
(撮影:大江真道)
茎は太く、止葉は天に向かっている多収品種
(撮影:長田健二)
疎植のイネ 上:出穂40日前、下:1株
白未熟粒(乳白粒)の玄米横断面
(森田敏『イネの高温障害と対策』より)

本書にご協力いただいたみなさま

岡島 秀夫(おかじま ひでお)

北海道大学名誉教授
1924(大正13)年、北海道岩見沢生まれ。本書のもととなった『イネの生理と栽培』(1965年発行、絶版)の著者で、当時、全国の熱心な農家に絶大な信頼を寄せられた。
著書に、『イネの栄養生理』(1962年)、『氾勝之書 中国最古の農書』(1986年、氾勝之著。志田容子と共訳)、『土の構造と機能』(1989年)など、いずれも農山漁村文化協会発行。

 

本田 強(ほんだ つよし)

元宮城教育大学教授
1931(昭和6)年宮城県大和町生まれ。水稲の栽培、とりわけ栽植密度について「疎植栽培」を唱えた。『現代農業』誌などに健筆をふるい、全国に多くのファンをもつ。
大学を辞した後は、宮城県でNPO法人環境保全米ネットワークを立ち上げ、有機栽培、減農薬・減化学肥料栽培を通じて、県全体を巻き込む。

 

森田 敏(もりた さとし)

農林水産省農林水産技術会議事務局
1962(昭和37)年、東京都生まれ。イネの高温登熟障害に対する生理・生態と回避技術を研究。
著書に『イネの高温障害と対策』(2011年、農山漁村文化協会)がある。

 

大江 真道(おおえ まさみち)

大阪府立大学 第4学系群 応用生命系准教授
1967(昭和42)年、宮城県仙台市生まれ。湛水深による日本型水稲の生育制御を研究。
著書に『イネの深水栽培』(2012年、農山漁村文化協会)がある。

 

薄井 勝利(うすい かつとし)

福島県須賀川市の篤農家
1937(昭和12)年、福島県須賀川市生まれ。水の力を最大限活かす「疎植水中栽培」を唱え、「21世紀米つくり会」を主宰。その多収技術は独創的で、全国に多くのファンがいる。
著書に『良食味・多収の豪快イネつくり』(1999年)、『バケツで実践 超豪快イネつくり』(2014年)などがある。いずれも農山漁村文化協会発行。

目次

まえがき

第一章 米の収量限界はどれくらい?
  • 第一話 米の中身はどこから来たのだろう
  •  イネの一生
  •  中身はイネがつくりだした太陽の化身
  • 第二話 収量限界は反収一五〇〇キロあたり
  •  田んぼに降り注ぐ太陽の光エネルギー総量
  •  米一〇〇キロとるために必要なエネルギー
  •  日本での多収記録を知る
第二章 そもそもイネという作物は
  • 第三話 イネは二重人格者である
  •  水田という環境
  •  畑という環境
  •  水田・畑 徹しきれないイネの宙ぶらりん
  • 第四話 畑のイネ 田んぼのイネ
  •  環境に合わせた変幻自在
  •  イネは水陸両棲作物だと考えてみる
  • 第五話 イネと水の相性を深掘りすると
  •  根のはたらきと根まわりの酸素不足
  •  陸上から酸素を根に送り込むシステム
  •  酸素で根まわりの毒を無毒化する
  •  根のまわりの酸化と還元でおこること
  • 第六話 田んぼがかかえる二つの矛盾
  •  田んぼの利点はどこに?
  •  利点と欠点は裏腹の関係
  •  土用干し、中干しの意味
  •  根の酸化力を高めるには
  • 第七話 水はイネの生育を支配する
  •  生命現象のカラクリ
  •  生長ホルモンの存在
  •  ホルモンと光のおもしろい関係
  •  実は水がホルモンを左右している
  •  水管理の深さとイネの育ち
第三章 イネが吸う養分とからだの中でのゆくえ
  • 第八話 イネはいつ、どんな養分を吸っているのだろう?
  •  米一〇〇キロとるのに必要なチッソ
  •  三要素以外の養分 とりわけケイ素について
  •  肥料はいつ吸われどんなはたらきをするのか
  •  からだのなかでの養分の動き
  • 第九話 吸収された養分のゆくえ
  •  イネの離乳期
  •  命の伝達 養分の伝達
  •  「波を打たすな」の格言が教えていること
  •  生育時期によって養分が異なるのはなぜ
  • 第十話 主茎と分げつ茎は、本家と分家の関係
  •  親子関係、分家関係を表す「同伸葉理論」
  •  分げつは三拍子で規則正しく
  •  必要な栄養分の複雑なやりとり
  • 第十一話 下葉の影響はからだ全体におよぶ
  •  つまるところ、作物としてのイネの目的は?
  •  新しい葉 古い葉
  •  古い下葉の献身的なはたらき
  •  下葉の枯れ上がりが語りかけること
  • 第十二話 デンプン蓄積の三条件
  •  自然物としてのイネと人間の都合
  •  穂にデンプンをたくわえる三つの条件
  •  第一の条件 炭酸ガスの同化
  •  第二の条件 葉から穂への養分移動
  •  第三の条件 炭水化物をデンプンに変える力
  •  穂・稈・葉 調和こそすべて
  • 第十三話 生育の時期と葉のはたらき
  •  収量構成要素という考え方
  •  イネの育ちと葉のはたらき
  •  穂の大きさ・粒数が決まる時期の葉
  •  活動中心葉という考え方
第四章 多収への道は、光エネルギーの効率利用にあり
  • 第十四話 「青田六石米二石」の教え
  •  出穂三〇~四〇日前にりっぱでは大問題!
  •  青田づくりで収量が伸びた時代もあった……
  •  勝負所は出穂後四〇日間の光のつかまえ方
  • 第十五話 茎にたくわえたデンプンを有利に利用する技
  •  穂の中のデンプンのルーツを探る
  •  ヨードデンプン反応を活用する
  • 第十六話 葉は主人公、モミは扶養家族
  •  モミ数と収量の関係
  •  炭水化物をデンプンに変える力のもと
  •  葉っぱの元気と根の元気
  • 第十七話 光のあたりぐあいは立体的に
  •  立った葉と垂れた葉
  •  光を受け止める葉の面積と配置を考える
  •  モミ―枝梗―維管束の連結パイプ
  •  光の立体利用型で
  • 第十八話 多収をねらうほどに千粒重が重要に
  •  収量の目標を立ててみる
  •  千粒重を大きくする手立て
  • 第十九話 根の活力は下葉が支配する
  •  根のはたらきをもう一度考えてみる
  •  新しい根と古い根の関係
  •  浅根性の根の悪戦苦闘
  •  根の元気を最後まで保つ水管理
第五章 美味しくて健康な、多収イネつくりへの誘い
  • 第二十話 はじめチョロチョロ、後半勝負の施肥作戦
  •  田植え後一〇日間だけの施肥で、命をまっとうしたイネの教え
  •  前半の多肥はイネの吸収力を低下させる
  •  チッソを多く吸収させるには元肥少肥が原則
  •  分げつに必要なチッソはほんのわずかでよい
  •  後半は追肥でおいこむ
  •  チッソ以外の養分の考え方
  • 第二十一話 栽植密度を考える
  •  栽植密度を決める基本
  •  「最終収量一定の法則」は本当か?
  •  からだつくりから穂づくりへのスムーズ転換
  •  疎植をめぐる考え方
  •  密播・密苗の新技術は?
  • 第二十二話 水は生育調整の最大の武器
  •  初期生育をおさえて中身を充実
  •  伸ばす水管理 おさえる水管理
  •  デンプン蓄積イネはマイペースで養分を吸う
  •  アピカルドミナンシー現象
  •  活着時代は深水で
  • 第二十三話 中干しの目的はまちがっている
  •  中干しでチッソを逃がす?
  •  中干しで根腐れを防ぐ?
  •  中干し後の白い根多発の意味は?
  •  基本は根の酸化力強化作戦
  • 第二十四話 出穂後の手の打ち方
  •  「花水」の本当の意味
  •  大切なのは葉の水分保持力
  •  水による温度調整をどう考えるか
  •  根腐れをおこさない管理
  •  落水期を機械的に決めないで
  •  ヒコバエがたくさん出るようでは失格!

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