激辛ブームで追い風が吹く
国産辛味トウガラシの栽培から乾燥調製、
七味唐辛子の加工まで。
全国に根付く地方品種も解説。

シリーズ「小さい農業で稼ぐ」の特徴

●小さい規模で多品目を育てるコツがわかる
　品種、まきどき、失敗しないコツ、他の野菜・作物との組み合わせ方など。
　施肥量の目安は1a（100㎡）で表記。

●農薬をできるだけ使わない方法がわかる
　天敵微生物を成分としたBT剤や食品を成分とした気門封鎖型農薬などを紹介。

●おいしい食べ方と売り方もわかる

著者

寺岸 明彦（てらぎし あきひこ）

1958年大阪府生まれ。
農学博士。元京都府山城北農業改良普及センター副所長。
辛味トウガラシや甘長トウガラシ、エビイモなどの京野菜の栽培指導を行なう。
『農業技術大系野菜編』第5巻「甘長トウガラシ類の栽培技術」（2005年）などを執筆。

目次

• まえがき──国産トウガラシがおもしろい
• 第1章　トウガラシを育てる人たち
• 1　新鮮な枝付きの鷹の爪を直売所へ出荷（京都府京田辺市・松宮智さん・博さん）
• 2　自分で育ててつくる一味唐辛子づくり（京都府京田辺市・中西さん夫妻）
• 3　農福連携で七味用トウガラシを契約出荷（京都府京田辺市・山城就労支援事業所「さんさん山城」）
• 第2章　なぜいまトウガラシなのか
• 1　国産辛味種に注目が集まっている――トウガラシの生産と消費
• 2　やみつきになる辛みで人気が加速
• 3　おもな売り先は香辛料製造会社――トウガラシの流通販売
• 4　5aでも稼げる隙間作物――トウガラシの適正規模
• 5　生も、直売所もおもしろい
• 6　栽培も容易、初期投資も少なくてすむ
• 7　病害虫被害も少ない
• 第3章　トウガラシとは
• 1　トウガラシの原産地と来歴
• 　原産地は中南米
• 　コショウの代用品としてヨーロッパ全土に広まる
• 　ヨーロッパ各国の呼び名
• 2　日本への伝来と広がり
• 　トウガラシの伝来で七味唐辛子の発明へ
• 　七味唐辛子の起源は「内藤とうがらし」
• 第4章　トウガラシの品種と生育の特徴
• 1　世界のトウガラシの分類
• 2　わが国のトウガラシ品種と分類
• 3　トウガラシの品種別草型の特徴と栽培のポイント
• 　芯止まり房成りタイプ（八房など）
• 　分枝房成りタイプ（鷹の爪など）
• 　芯立ち房成りタイプ（熊鷹など）
• 　分枝節成りタイプ（伏見辛、本鷹など）
• 　立性タイプ（F1品種など）
• 第5章　トウガラシの育て方
• 1　圃場の準備
• 2　元肥の施用
• 3　育苗
• 4　苗の定植
• 5　生育タイプごとの管理
• 　芯止まり房成りタイプ（八房など）
• 　分枝タイプ（鷹の爪、本鷹など）、芯立ちタイプ（熊鷹など）
• 　立性タイプ（F1品種など）
• 6　収穫・選別の実際
• 　芯止まりタイプ（八房、栃木三鷹など）――10月に一斉収穫、乾燥果実で1a当たり12㎏以上を目標
• 　分枝タイプ（鷹の爪、本鷹など）――2週間隔で果実一つずつ収穫、乾燥果実で1a当たり20㎏以上を目標
• 　立性タイプ（F1品種など）――2〜3日間隔で果実一つずつ収穫、1a当たり100㎏以上を目標
• 　収穫・選別時の注意点
• 7　一次乾燥
• 　一次乾燥用の台
• 　高温による変色に注意
• 　乾燥時に着色を促進する工夫
• 8　もぎり（調製）作業
• 　最終乾燥の目安
• 　作業場所の環境と異物混入防止
• 9　仕上げ乾燥
• 　12％（水分）を目途に乾燥
• 　仕上げ乾燥機
• 　低温期の乾燥法
• 　乾燥度の見分け方
• 10　農薬をできるだけ使わない病害虫の防ぎ方
• 11　災害対策――とくに台風
• 　カコミ　家庭で簡単につくる鷹の爪
• 第6章　一味・七味唐辛子の販売と加工・利用
• 1　香辛料としての一味・七味唐辛子
• 2　一味・七味唐辛子の加工
• 3　七味唐辛子商品の特徴
• 4　食材としてのトウガラシ――青実や葉の利用
• 5　アジア地域の品種と利用方法
• 　天鷹…豆板醤の原料
• 　望都…コチュジャンの原料
• 　益都…甘み・コクがあり、料理の色づけに
• 　甜椒…辛みなく炒め物や色・甘みづけに　プリック・キーヌートムヤムクンの原料
• 6　調味料としてのトウガラシ――日本と諸外国の例から
• 　日本の調味料
• 　海外の調味料
• 付録1　栽培暦
• 付録2　トウガラシの種苗入手先（2020年現在）