1935年、熊本県須恵村に居を構え、
約1年間調査した米国人社会人類学者による、
協同活動「かったり」、
任期制の世話人「主どうり」など自治の仕組み、
家族や教育、生活史、宗教、葬祭など
戦前農村の克明な記録。
原題:Suye Mura:A Japanese Village
著者:ジョン・F・エンブリー 著/田中一彦 訳
定価:4,950円(税込)
ISBNコード:9784540201578
発行:2021/5
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:四六 432ページ
1939年に刊行され、英語圏の人類学的日本研究の金字塔と評されながらも、刊行後80年を過ぎた今日まで日本語では問題の多い抄訳しかなかった名著の初めての完訳。ルース・ベネディクトのロング&ベストセラー『菊と刀』(原著1946年、邦訳1948年)の重要参考書。
ジョン・F・エンブリー John F. Embree(1908‐1950)
アメリカ・コネティカット州生まれの社会人類学者。トロント大学で人類学修士号取得。シカゴ大学に進み、1935年から1年間、妻・エラとともに熊本県須恵村(現あさぎり町)を調査。帰国後博士号を取得し、39年“Suye Mura: A Japanese Village”を刊行。戦争中は対日政策の要職を歴任。50年12月22日、クリスマスの買い物中、コネティカット州ハムデンで飲酒運転の車にはねられ16歳の娘クレアとともに死去。享年42歳。
田中 一彦
1947年福岡県瀬高町(現みやま市)生まれ。京都大学経済学部卒。西日本新聞社でパリ支局や東京支社編集長、編集局次長などを歴任。退職後の2011年から2014年まであさぎり町に単身移住し取材・調査、『忘れられた人類学者 エンブリー夫妻が見た<日本の村>』(2017年、忘羊社、地方出版文化賞・功労賞)、『日本を愛した人類学者 エンブリー夫妻の日米戦争』(2018年、同前)を上梓。共著に『食卓の向こう側』(2004年~、西日本新聞社)など。
『季刊地域』2021年春号(No.45)
渡辺京二氏(『逝きし世の面影』著者)推薦
■ 読者カードから ■
----- 2021/9 -----
社会学上の重要な研究が、詳細な完訳で出版されたことが大変うれしい。ご尽力と出版の志にお礼申し上げます。
(愛知県 男性 60代)
----- 2021/7 -----
日本の村の特長を捉えた協同協助の精神がよく描かれている。
(福岡県 男性 70代)
戦前の農村がわかるすばらしい本。
(愛媛県 男性)
■ 書評・ネットでの紹介など ■
***** リンクはありません *****
●『東京新聞』2021年7月31日 書評
…本書を引いているベネディクト『菊と刀』を投げ出した向きにお薦め。…
●共同通信配信 農村研究の名著「須恵村」の新訳を手掛けたライター 田中一彦さん(73)
『京都新聞』2021年7月20日 時のひと
…助け合いに満ちた須恵の暮らしを知ることで、立ち止まって考えるきっかけにしてほしい…
●『西日本新聞』2021年7月10日 書評
時空の旅の知的なガイドブック 評・徳野貞雄(熊本大学名誉教授)
…タイムマシーンに乗って、当時の記録映画を見るように素朴な須恵村の人々の暮らしぶりを見てみよう。そこには我々の祖父母の暮らしの原風景が映されている。…
----- 2021/7/16 -----
「須恵村」オンライン講演会のお知らせ(共催 小農学会、西日本新聞社)
エンブリー研究者の田中一彦さんが『新・全訳 須恵村ー日本の村』
の面白さと現代的意義について語る
出演:徳野貞雄(農村社会学者・熊本大学名誉教授)、佐藤弘(西日本新聞社)ほか
2021年7月16日(金)19:00~21:00
YouTube 見逃し配信動画(2時間6分15秒)
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----- 2021/6/9 -----
須恵村の協同の文化から学ぶ
幻の名著『須恵村』(エンブリー著)の新・全訳を記念して
日時:2021年6月9日(水)20時~21時30分
会場:オンライン<zoom>(後日オンライン視聴あり)
トーク:田中一彦(本書訳者)/甲斐良治(農業ジャーナリスト)
聞き手:辻信一(文化人類学者)
お申し込みはこちらのサイトで