植物としての桐の特徴、
生活の中での桐利用、栽培の基本と実際、
桐たんす・桐下駄・桐箱などの製造工程を
職人に密着取材。
地域資源を活かす
著者:八重樫良暉、猪原武史ほか
定価:3,300円(税込)
ISBNコード:9784540171178
発行:2018/02
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:B5 136ページ
★ 『生活工芸双書』他の既刊本を見る ★
八重樫 良暉(やえがし よしてる)
故人、元岩手県特用林産協議会参与
五十嵐 馨(いがらし かおる)
アイパワーフォレスト株式会社副社長
熊倉 國雄(くまくら くにお)
故人、元新潟県新発田農林高校教諭
藤田 旭美(ふじた あきみ)
福島県三島町産業建設課 桐専門員
板橋 充是(いたばし みつよし)
会津桐タンス株式会社取締役管理部長
猪ノ原 武史(いのはら たけし)
桐乃華工房
高安 尚訓(たかやす ひさのり)
高安桐工芸
口絵
はじめに
<囲み>キリの花にまつわる話
<囲み>桐材による事の製作工程
<図解>桐製品の産地
<囲み>会津桐から生まれた木工品
<囲み>春日部の押絵羽子板
■ 書評・ネットでの紹介など ■
----- 2018/7/10 -----
『森林技術』2018年7月号 本の紹介
会津桐の生産地として歴史のある三島町(福島県)は、優良な桐材を各地へ出荷してきました。
当町では、この地域資源をしっかりと残していくことに加え、地域経済振興につなげるため、昭和60年から工場を整備し、桐箪笥製造に取り組みました。その技術や材質が評価され、個人販売から、国宝を保存する製品や絵画等を収蔵する製品といった専門的かつ重要な分野にまで実績を重ねてきました。
そして、桐栽培育成に関する先人たちの知識や経験を後世に伝えるため、平成29年から「桐専門員」を配置し、桐育成に係わる様々な内容を調査し、記録に残す取組を本格的にスタートさせました。
このように桐についての取組を進めるなかで、桐を様々な角度から紹介した図書が今回出版されたことは、当町の取組において心強い1冊となりました。
本書は、農山漁村文化協会が、地域の植物を見直し活かすための便(よすが)として「生活工芸双書」を企画、その1冊として「桐」が取り上げられたものです。
本書では、まず「桐」という植物を知ることからスタートします。桐や桐栽培研究者として知られた著名な先生方の著作をもとに、様々な種類の桐について、またそのルーツなど、桐という植物について詳しく知ることができます。加えて、地元で桐の育成・生産・加工・販売に実際に携わる方々への取材から、今現在の桐に対する取組が詳細に記載されています。また、携わる方々自らも執筆されており、これは現場の生の声として届くものと思っています。
桐を育てることは難しくもありますが、この本が、新たな桐の生産者や全国の方が桐に触れていただく機会を増やしてくれることを期待しています。
三島町は日本一の会津桐の産地として、これからも地域資源である桐の育成・保存に取り組んでいきます。(三島町産業建設課/小柴 謙)