地域づくりの4つの向き合い方とは?
「地域のため」だけでは活動は持続しない。
「やる気」のメカニズムを8つの事例からさぐる。
山浦陽一/中塚雅也/筒井一伸 編著
定価:1,980円(税込)
ISBNコード:9784540231704
発行:2025/3
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 208ページ
地域にはさまざまな役職があるが、みずから進んでやりたいという人はまれであって、多くは回り番であったり、あて職であったりすることがほとんどだ。そのような「普通の地域」「普通の人」の地域事例というものはあまり取り上げられることがない。本書は全国8事例から「やる気」と動機と活動の関係から分析。誰もが、地域づくりに参加し、活動の支え手になれる方法を探究したユニークな地域づくり論である。
ため池の点検
本書におけるやる気と動機と活動の関係(山浦作成)
山浦 陽一(やまうら よういち)
大分大学経済学部准教授。1979年生まれ。2007年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了、博士(農学)。(財)日本農業研究所研究員を経て2009年より現職。これまでの研究テーマは無住化集落の農地利用、出入り作、集落連携、地域運営組織など。2019年、地域運営組織の中間支援組織である(一社)コミュニティサポートおおいた設立、理事。
中塚 雅也(なかつか まさや)
神戸大学大学院農学研究科教授。1973年大阪府生まれ。神戸大学農学部卒業後、地域づくり実務に携わりながら同大学院修了、博士(学術)。神戸大学助教、准教授を経て2021年より現職。農学研究科地域連携センター長、神戸大学連携推進本部部門長などを兼務。
筒井 一伸(つつい かずのぶ)
鳥取大学地域学部教授。1974年生まれ。愛知県豊根村で都市-農山村交流や移住者受け入れの実務に携わりながら、2004年大阪市立大学大学院文学研究科地理学専攻修了、博士(文学)。同年に鳥取大学地域学部に着任して、講師、准教授を経て、2017年より現職。2024年よりNPO法人中山間地域フォーラム理事。
■ SNS (書名による検索結果) ■
Facebook(要ログイン) | X(旧Twitter)
■ 書評・ネットでの紹介など ■
----- 2025/7/7 -----
月刊『NOSAI』 2025年7月号 「自著自薦」
大分大学経済学部准教授 山浦陽一
あなたは、地域でどんな活動に参加し、どんな組織に所属し、どんな役職を担っているだろうか? 農業共済の評価員、農協の総代、土地改良区の役員、自治会長……。地城のために日々奮闘されている方も少なくないのではないだろうか。中には、前任者や事務局に頼まれて、しぶしぶ役職を担っている方もいるかもしれない。
他方で、同級生のゴルフサークル、公民館の男の料理教室、少年野球のコーチ、有償ボランティアのスタッフなど、先ほどの地域の役職とは違って、自ら進んで、いきいきと参加している活動もあるのではないだろうか。
本書は、様々な事例を紹介しながら、そのような地域での活動の「しぶしぶ」や「いきいき」を整理し、上手く付き合う方法を示す。
構成としては事例編と考察編からなる。事例編の主人公は、カリスマリーダーやスーパー公務員ではない、普通の人である。例えば、よくわからないまま役を引き受けた土地改良区役員、作業後の飲み会を楽しみにする草刈りの参加者、急に梯子を外された施設管理者などが登場する。登場人物のやる気は右肩上がりとは限らず、上がったり下がったり、時には立ち止まったり、また参加の理由も時間と共に変化する。
考察編では、事例を踏まえて活動とやる気の関係を4つに整理し、活動への向き合い方を提案する。ポイントは、「地域のため」と背負いこみ過ぎないこと、仲間や参加者、利用者との関係性の中で、活動そのものを楽しむこと、しんどいときには力を抜いて時には「サボる」ことである。
もやもやを抱えている「普通の人」はもちろん、組織や活動の運営で試行錯誤している地域リーダーや関係機関の方にも、是非読んでもらいたい。地域づくりへの関わり方、運営の仕方のヒントが見つかるはずである。
----- 2025/4 -----
「やらされ仕事」を変える 地域づくりへの向き合い方とは
評=重藤さわ子(事業構想大学院大学教授)
『季刊地域』2025春号 > ゆるくらジャーナル > 本 Book