生活工芸双書 大麻

篠﨑茂雄 倉井耕一他著

植物としての特性、無毒品種とちぎしろの開発、
産業用大麻、利用の歴史、オガラ利用の懐炉灰、
栃木県のほか屯田兵村の北海道、青森から鹿児島まで
全国20道県の大麻の栽培・利用の歴史、栽培法、部位別の利用を収録。

地域資源を活かす

生活工芸双書 大麻

著者:篠﨑茂雄 倉井耕一ほか
定価:3,300円(税込)
ISBNコード:9784540171147
発行:2019/05
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:B5 152ページ

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麻播種器を引きながら後ずさりして進むと、畝立てと同時に播種ができる
皮を剥いだあとの麻幹の収納。栃木県鹿沼市下永野
精麻
高機で織る

著者

篠﨑 茂雄(しのざき しげお)

栃木県立博物館部長補佐兼人文課長

倉井 耕一(くらい こういち)

元栃木県農業試験場研究開発部麦類研究室

橋本 智(はしもと さとし)

栃木県立宇都宮白楊高校主幹教諭・農場長

大森 芳紀(おおもり よしのり)

栃木県鹿沼市・野州麻紙工房主宰

平野 哲也(ひらの てつや)

赤星 栄志(あかほし よしゆき)

日本大学生物資源科学部研究員

 

大麻に関する情報拠点

日本麻振興会(栃木県鹿沼市)

栃木県立博物館(栃木県宇都宮市)

大麻博物館(栃木県那須町)

野州麻紙工房(栃木県鹿沼市)

目次

  •  口絵
  •  はじめに
  •    <大麻を利用した出土品の見られる遺跡一覧>
  • 1章 植物としての特徴
  •  植物としての大麻
  •   ・分類
  •   ・形状
  •   ・原産地と来歴
  •   ・品種
  •   ・無毒の品種「とちぎしろ」の開発
  •  日本における産業用大麻の普及のための品種問題
  •   ・盗難防止を目的とした品種開発
  •   ・在来種と「とちぎしろ」のTHC含有量比較
  •   ・栃木県と他地域とのアサ栽培管理の違い
  •   ・盗難防止の法的根拠の問題点
  •   ・THCゼロ%品種の導入問題
  •   ・産業用大麻栽培の展望
  •    <アサについての記述がある農書一覧>
  • 2章 利用の歴史
  •  アサの利用特性
  •   ・植物分類学上のアサ
  •   ・アサとカラムシ
  •   ・明治以降に広まる「大麻」の表記
  •   ・繊維としてのアサの特性
  •   ・絹・木綿と麻
  •   ・化学繊維時代のなかの麻
  •  麻利用の歴史
  •   ・古代以前
  •   ・古代
  •   ・中世
  •   ・近世
  •   ・近代(明治~戦前)
  •   ・現代(戦後以降)
  •  野州麻の加工品
  •   ・規格・品質の統一
  •   ・精麻
  •   ・皮麻
  •   ・麻幹
  •   ・その他の副産物
  • 3章 各地の麻栽培
  •  日本各地の大麻生産と利用―その歴史を掘り起こす
  •   ・日本一のアサの生産地 栃木県(野州麻)
  •   ・屯田兵の生活を支えたアサ栽培 北海道
  •   ・東北地方北部のアサ文化 青森県・岩手県
  •   ・現代に伝わる麻織物 宮城県
  •   ・農書に見る江戸時代のアサ栽培 福島県
  •   ・上質な糸を生み出す岩島麻 群馬県
  •   ・『和漢三才図会』に登場する甲州の白苧 山梨県
  •   ・丈夫な糸を目指して 信州のアサ作り 長野県
  •   ・栃木県に次ぐアサの生産地 岐阜県
  •   ・良質な上布を生み出す近江のアサ 滋賀県
  •   ・日本海の麻織物文化 日本海沿岸の各県
  •   ・西日本が誇るアサの生産地 広島県・島根県
  •   ・日本のアサの起源か 徳島県
  •   ・文化財を守る大分のアサ 大分県
  •   ・南九州地方のアサ作り 宮崎県・鹿児島県・熊本県
  •    <アサの播種器>
  • 4章 麻を栽培する
  •  栽培適地
  •  栃木県での栽培
  •   ・農業経営と生産暦
  •   ・土作り
  •   ・耕起―秋起こし(ユウバリ)、春起こし(ハルカキ)
  •   ・播種(アサマキ)―3月下旬~4月上旬
  •   ・施肥(タイヒチラシ)
  •   ・中耕(アサカキ・アササクリ)―除草と土寄せ
  •   ・収穫(アサヌキ)―7月下旬~8月上旬
  •   ・精麻にするまで―収穫した茎から繊維を取り出す
  •   ・種子の採取―麻種(オタネ)
  •    <描かれた麻栽培>
  • 5章 部位別の利用法
  • 大麻の茎を利用する―精麻・皮麻・麻垢・麻幹
  • 精麻・皮麻―茎の靭皮繊維
  •   ・下駄の鼻緒の芯縄
  •   ・糸や綱など
  •   ・衣類・織物としての利用
  •    <江戸時代後期における鹿沼麻の流通>
  •   ・麻作農村の仲買商人による産地直送
  •   ・九十九里浜からの魚肥の直輸送
  •   ・浜商人の台頭による鹿沼直取引の成立
  •   ・板荷村福田弥右衛門の行商
  •   ・麻紙
  •   ・野州麻紙工房
  •   ・麻幹
  •    <捨身で見る原灰の製造工程>
  •    <暮らしに根ざした「麻の葉」のデザイン>
  •  引用・参考文献一覧
  •  さくいん

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感想・レビュー:生活工芸双書 大麻

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----- 2019/10 -----

日本人の暮らしを支えた植物「大麻(あさ)」を見直す
評=中筋直哉(法政大学社会学部教授)

『季刊地域』2019年秋号 「ゆるくらジャーナル」書評

 

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『週刊読書人』2019年7月26日号<2019年上半期の収穫から(43人へのアンケート)>
 社会学・中筋直哉氏「何度も繰り返される大麻という社会問題に、こうした切り込み方ができるのは農文協の長い蓄積あってのことだ。」

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