アメリカの農業と農村の苦悩

薄井寛 著

輸出志向型の大規模農業の推進による家族経営農家の衰退と、
それに起因する地域社会の空洞化がもたらしたアメリカの困難な状況を活写し、
日本がその轍を踏まない、
農業・地域政策の抜本的な変革策の方向を考える。

アメリカの農業と農村の苦悩

「トランプ劇場」に観たその実像と日本への警鐘
薄井寛 著
定価:2,420円(税込)
ISBNコード:9784540192081
発行:2020/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:四六 312ページ

本を購入する(田舎の本屋さん)

著者

薄井 寛(うすい ひろし)

1949年熊本県生まれ。
米国農業・農村・農民問題ウォッチャー。
1972年大阪外国語大学外国語学部ビルマ語学科卒業。JA全中ワシントン連絡事務所長・農政部長、FAO日本事務所次長、日本農業新聞常務取締役、JA総研理事長、JC総研などを歴任。
<主な著書・論文>「2つの『油』が世界を変える」農文協2010年、「大きな変更を求められないアメリカ農政」(増刊現代農業『世界の農村は今』1989年所収)、『アメリカ農業は脅威か』 家の光協会1988年など多数。

目次

  • まえがき
  • 第一章 トランプ大統領を誕生させたアメリカ中央部の地方票
  • 1 予想を裏切った大番狂わせのトランプ当選
  • 2 選挙結果の分析が浮き彫りにしたアメリカ社会の分断
  • 第二章 トランプ支持者の怒りとルーラル・アメリカの直面する課題
  • 1 “忘れられた人びと”の思い
  • 2 不満と怒りに満ちた“忘れられた人びと”の声
  • 3 重い課題を抱え込むアメリカ中央部
  • 第三章 忘れられたルーラル・アメリカ─トランプへ投票した農家の思い
  • 1 農業不況が起こるたびに振り落とされてきた中小農家
  • 2 二〇一〇年代の農業危機と一九八〇年代との比較
  • 3 農家の保守党支持の背景に何があるのか
  • 第四章 ドイツ系アメリカ人社会の保守化の変遷とその背景
  • 1 ドイツ系アメリカ人が多く住む地方の投票結果
  • 2 ドイツ系アメリカ人の開拓の歴史
  • 3 二度の世界大戦を経て、“物言わぬ大衆”へ
  • 4 新たな“棲み分け”現象と“忘れられた人びと”
  • 第五章 深刻な空洞化に直面するアメリカの過疎地帯と移民労働者
  • 1 頭脳流出を止められないアメリカ中央部
  • 2 カンザス州に見る地域食料供給システムの崩壊
  • 3 “壁”建設をめぐるアメリカ中央部の苦悩
  • 4 移民労働者こそ、地方活性化の原動力
  • 第六章 トランプ大苦戦か、二〇二〇年大統領選挙 ―カギを握る三つの有権者グループ
  • 1 トランプ岩盤支持層の切り崩しに挑戦する民主党
  • 2 トランプに対する農家の不満と反発へ焦点を当てるメディアの広がり
  • 3 表面化する農家の“トランプ離れ”
  • 4 「民主党から誰が出てくるのかが問題だ」
  • 5 カギとなるのは投票率と地方のトランプ離れ、隠れトランプ支持者の増加
  • 終章 “トランプ劇場”から私たちが学べること

書評・反響

■ 読者カードから ■

----- 2021/7 -----

アメリカの農村社会の現実が少し理解できたような気がする。

(福島県 自営業 男性 50代)

 

■ SNS (書名による検索結果) ■

Twitter

 

各作品ページのURLをQRコード化したリスト(PDF)はこちら

topへ