「人獣共通感染症」のひとつである新型コロナウイルスとはどういうもので、
われわれはどう向き合っていけばよいのか。
新型コロナによる感染爆発と
社会・経済活動の凍結による被害が拡大した要因はどこにあったのか。
ウイルス学や医療人類学などの研究者、経済アナリスト、
探検家、食生活研究家など各分野で活躍する19人が自在に論ずる。
歴史と世界に視野を広げ、
多角的な視点から新型コロナとそれがもたらした社会現象を冷静にとらえ、
パンデミック後の社会を大胆に展望。災厄の向こうに希望が見える。
農文協ブックレット21
われわれはどこにいて、
どこへ向かうのか
農文協 編
定価:1,100円(税込)
ISBNコード:9784540201370
発行:2020/5
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5 128ページ
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■ 農文協の主張 ■
『現代農業』2020年6月号より
『現代農業』2020年7月号より
内山 節(哲学者)
髙田 礼人(北大教授/ウイルス学)
山本 太郎(長崎大教授/国際保健学)
山田 真(小児科医)
内田 樹(神戸女学院大名誉教授/哲学)
藤井 聡(京大教授/社会工学)
雨宮 処凛(作家・活動家)
磯野 真穂(医療人類学者)
魚柄 仁之助(食生活研究家)
丸橋 賢(歯科医師)
宮崎 稔(学校と地域の融合教育研究会会長)
関野 吉晴(探検家・医師)
高野 秀行(ノンフィクション作家)
那須田 淳(児童文学作家/ベルリン在住)
羽生 のり子(フリージャーナリスト/フランス在住)
猪瀬 浩平(明治学院大教授/文化人類学)
森永 卓郎(経済アナリスト)
古沢 広祐(國學院大客員教授/環境社会経済学)
山下 惣一(農民・作家)
■ 読者カードから ■
----- 2022/2 -----
日々のオミクロン株対策に必見と見た。
(広島県 農業 60代 男性)
----- 2021/3 -----
農民・作家の山下惣一氏の「新型コロナでわかった田舎暮らしと小農の強さと確かさ」というテーマの文章が、何か印象深い感じがした。
(福島県 自営業 50代 男性)
----- 2020/10 -----
時期にあった大変よい本だったと思います。とくに高田礼人先生の「ウィルスとは何かを知れば向きあい方が見えてくる」は大変勉強になりました。
(山梨県 医師 70代 男性)
----- 2020/9 -----
多くの人の考え方があり、わかりやすかった。
(新潟県 農漁業 60代 男性)
----- 2020/7 -----
コロナ「禍」と表現される今の状況を、ウイルス側に視点を当てたときに、それが生存本能に由来し、人間側の被害意識から発生したものであるということが冒頭でわかり、少し不安が薄らいだ。
(神奈川県 大学教員 40代 男性)
日経新聞の書評欄を読みアマゾンに注文して読んでみました。わずか数ヶ月前の議論が既に古めかしい状況になっていることに驚きます。
(東京都 会社員 60代 男性)
町内会の老人会から頼まれて「新型コロナ感染症」の話をする予定で勉強中でした。とても参考になります。髙田礼人さん・内山節さんの論文、特に重要です。私たちは感染症はもう終わったという教育を受けました。結核病棟が消えた頃です。人類とウイルスの共存、これは地球の生命ある限り続くことですね。いまこんな本も読んでみたい。本当に読んでみたいです。妻の買い物につきあって隣の本屋でたまたま見つけ、ラッキーでした。感謝、感謝。この本の続編を出してください。
(宮城県 医師 80代 男性)
----- 2020/6 -----
タイムリーな出版。たいへん読みごたえがありました。ありがとうございました。
(東京都 70代 女性)
内田樹さんの寄稿に惹かれて買い求めました。これだけのものをタイムリーにリスクを背負って出版されましたことに感謝します。
(神奈川県 会社員 60代 男性)
多岐にわたる方々の意見で今後のコロナウイルスとの付き合い方を考えさせられました。
(新潟県 自営業 60代 女性)
----- 2020/5 -----
原稿が4/7以前ということですが、今後の状況に応じて第2弾の各紙の意見を出していただきたいものです。この本で初めて知った著者も数名おり、視野が広がりました。最近は字がとても小さくて、読む側のことを考えていないのか?と思う本が多い中、とても読み易かったです!
(京都府 会社員 50代 女性)
山下惣一氏の文章に共感を覚えました。私は若い頃肺炎をほぼ食の改善のみで治した体験から食へのこだわりは人一倍強く、自分で食べるものは極力自分で作るよう心掛けて生活しています。森永卓郎氏が言われているように、鳥のさえずりを聞き、街ではなく野山に咲き乱れる花を愛で、きれいな空気を思い切り深呼吸する。そんな心の豊かさが必要なのでしょう。のんきすぎるかもしれませんが、一週間前金時山に登り、富士山を眺め、ミツバツツジ、シロヤシオ、ユイカザクラ、イワカガミ、チゴユリ、ギンリョウソウなどを見て心が癒やされました。
(静岡県 70代 男性)
1人1人の意見がとてもよかったです。これを読んでその人の関連書をあらためて読みはじめています。教えられる事多く貴重な書です。
(山口県 70代 女性)
みなさんの意見に感銘を受けました。これからの世界の人々の価値観が良い方に変わりますように。
(北海道 主婦)
漠然とした不安感を少しでも減らすためには、自ら様々な分野の情報を仕入れ、考えて行動することが大切だと思います。この度本書を拝読し、まずウイルスは何者かを知るという当たり前のようでできなかったことに気づかされました。その上で感染対策、生活を考えることで心の余裕が生まれました。今後先行がわからない中、個人としては経済的、身体的蓄えをすることで柔軟に変化を受け入れられるような余裕を持って自身と家族を守っていきたいと思いました。
(千葉県 会社員 30代 男性)
----- 2021/1 -----
多角的な視点でパンデミック後を考える一冊
「新型コロナウイルス」という名前を耳にしてから1年。報道や本などから得た情報は私たちの頭にあふれているだろう。この本には、ウイルス学や感染症学をはじめ、哲学や人類学、教育や農業など、各分野で活躍する19人が寄稿している。海外からのレポートや新自由主義的なグローバリゼーション批判の論考もあり興味深い。感染が拡大した5月上旬に出版されたが、今でも古びることなく、刺激を与え続けてくれる。それは「食」「農」「生命」に重点を置き、地に足をつけた位置から、人間とコロナ事態を考えるという基本的な視点があるからだと思う。
生活クラブ生協『本の花束』2021年1月4回C週
----- 2020/10 -----
書籍紹介
新型コロナウイルス感染については現在進行中であり、特に説明の必要はないであろう。私たちの暮らしは、このウイルスとの対峙なしには語れない毎日が続いており、誰しも漂う閉塞感を感じている。現段階では、日本には第2波が来たのではないかとの観測も広がっており、今後が見通せない状況ですらある。本稿執筆の7月末時点で、世界の感染者数は1690万人、死亡者数は66.5万人まで増加した。そして日本では感染者数3万3362人、死亡者数は1000人を超えた。中国湖北省武漢市で遅くとも2019年12月上旬には発生していたとされるこのウイルスは、またたくまに世界中に広がったのである。
(中略:本書構成等)
執筆者はウイルス学や国際保健学をはじめ、哲学、医療人類学、文化人類学などの研究者、海外の辺境の地を取材するジャーナリストや探検家、医師や食生活研究家、そして農家で、多角的・複眼的な視点から、新型コロナウイルスとそれがもたらした社会現象について論じている。どの論者も専門家で、学ぶ点が多い。
本書で目を引くのは藤井聡(京都大学大学院教授)氏の「パンデミックはこれから始まる地獄の序章である 大恐慌と世界食糧危機に備えよ」であろう。氏は、「世間一般の受け止めは、この1カ月の緊急事態期間をしのぎきれば事態は収束し、かつてと同様の社会経済活動に近づけていけるのではないかという、漠然とした楽観的なものだ」と指摘し、これを否定する。他地域に感染者がいる以上、他都市との交流の抜本的な禁止がなければ、感染者が当該都市に訪れ、再び感染が拡大することは避けがたいと述べている。現状は、氏が述べた通りといえよう。社会経済活動を完全復活させることはできないままである。これから日本経済は地獄のような大不況となるとも述べているが、この言説を疑う人はもはやいないと思う。なぜならこれは「すでに起こった未来」だからである。
かつてペストの大流行があり、20世紀になって20年、スペイン風邪の流行があり日本も脅威に晒された。1980年、20世紀最大の感染症のエイズが出現。その20年後SARSが出現する。エイズの原因ウイルスが明らかになるまで2年係、SARSの場合は1年もかかった。人間はウイルスと共生できるのか。コロナ禍という大きな厄災を希望に変える手がかりは見えてくるのか。本書の問いはここにある。(編集部 小磯明)
日本文化厚生農業協同組合連合会『文化連情報』 2020.10 No.511 より
----- 2020/6/20 -----
アフター・コロナ社会を考える本 『新型コロナ 19氏の意見』
本誌にエッセーを寄稿してくださる農民作家の山下惣一さんが、本著で「過疎こそが最大の感染症予防」と述べています。行き過ぎた都市部の過密状態、効率とスピードを求めた結果のグローバリゼーション。これら地球全体で起きている事象が招いたコロナ禍です。田舎暮らしの安全性を説きながら、小農が世界の食糧を支えていること、持続可能な「真の効率性」を保っていることを教えてくれます。同じく本誌でもおなじみの環境社会経済学者、古沢広祐さんも、第1次産業を基本に置く自然共生社会を訴えています。示唆に富む19人からのメッセージです。
(特定非営利活動法人 日本消費者連盟『消費者リポート』No.1634 より)
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・『しんぶん 赤旗』2020年9月20日 読書(書評欄)「本と話題」
「『コロナ後』を考える 政治・労働・結婚・差別…共存への成長の機会か」
・『東京新聞』『中日新聞』『西日本新聞』2020年6月25日他 論壇時評・中島岳志
前出6/23分と同内容(4紙連合記事)
・『日本農業新聞』2020年5月24日 あぜ道書店(書評欄)
「…農業専門出版社として、医療関係者も含め、これだけ広範囲な執筆陣を短時間に集め書籍にしたケースは初めてだろう…」