食べものがたりのすすめ

湯澤規子 著

「食べものがたり」は誰もが生まれた時から持っている、
食べものにまつわる物語のこと。
日々経験する「食べること」「出すこと」
から広がる探究学習の実際を、
10を超える実践例から紹介します。

★かんがえるタネ★

食べものがたりのすすめ

「食」から広がるワークショップ入門
著者:湯澤規子
定価:1,540円(税込)
ISBNコード:9784540212208
発行:2022/4
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:四六 176ページ

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おばあちゃんの戦時下の料理帳から歴史を学び、食べものとウンコの行く末からフードロスに思いを巡らせ、誰かのレシピを受け取り・作ることで地域とつながる。そんな「食べものがたり」から広がるワークショップ、始めてみませんか?

校内で見つけた違和感や驚きを表現する「ノイズをさがせ」ワークショップ。双方向のやりとりを実感できる、新しい学びのカタチ

紙皿に「食べものがたり」を盛り付ける。誰でも経験する「食べること」をめぐる物語から、一人ひとりの人間が見えてくる

食べものとウンコのつながりは? を自分で描く「つながるマップ・トイレ探究」。盛り上がる仕掛けにはアイテムも重要!

2017年、熊本で開催した「ビブリオ・トークイベント」。水俣の甘夏生産者グループの食材を使い、地域を知るワークショップ

著者の手による「食べもの絵日記」。読み返すと当時のことが鮮やかに思い出されるのは、下と目と胃袋の記憶のなせるワザ

子ども食堂の告知チラシに毎月掲載する「こどもじぶん食堂新聞」。「一緒に食べられない」コロナ禍の困難を乗り越える試み

著者

湯澤 規子(ゆざわ のりこ)

大阪府生まれ。筑波大学生命環境系准教授などを経て2019年より法政大学人間環境学部教授。専門は歴史地理学、地域経済学、農村社会学、地域史・産業史。「生きる」をテーマに地理学、歴史学、経済学の視点から日常を問い直すフィールドワークを重ねる。
著書に『胃袋の近代―食と人びとの日常史』(名古屋大学出版会)、『7袋のポテトチップス―食べるを語る、胃袋の戦後史』(晶文社)、『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか―食人糞地理学ことはじめ』(ちくま新書)、絵本シリーズ『うんこでつながる世界とわたし』(全3巻、農文協)など多数。

教員紹介「湯澤規子 教授」@法政大学人間環境学部

目次

書評・反響

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----- 2022/7/25 -----

自著を語る 食べることの個人史から社会や多様性を見つめる目を

本文PICKUP! …「食」こそは、生きる基本であると同時に「あそび」であり、「余白」であり、それゆえに多分に創造的なものだと思うからです。とするならば、「食」から広がる学びのカタチは、アイデア次第で、今後もさまざまに展開できる可能性を秘めているといえます。…

自分たちでできるワークショップ

 私の専門は歴史地理学で、社会などで起きているさまざまな現象を、フィールドワークをしながら解明していきます。その対象の一つとして出合ったのが「食」です。
 フィールドに行くと、地域の人たちがいろいろとワークショップ的な取り組みをしています。自分たちで市場を開いたり、図書館イベントを組み立ててみたり。本書は、現場で出合った面白いワークショップを学校の教育に取り込む、逆発想の本です。
 新型コロナウイルスを経験した今、学生が教室で学ぶ意味を感じ、来て良かったと感じられるものにしたい、との思いで執筆しました。
 本書を手にした中学生・高校生の皆さんにも「自分たちでワークショップができそうだ」と思ってほしいのです。グループで活動をする、友達同士でイベントをする際に「好きな食べ物を教えて」とアイスブレイクを入れるだけでも違います。コミュニケーションを図り、気持ちを高める余白や遊びをつくれる、そんなワークショッブのレシピを詰め込みました。

他者理解につながる「食」の話

 誰もが持っている一人一人の「食」にまつわる履歴書を「食べものがたり」と呼んでいます。それらを集めてみると、本に書かれたのとは違う歴史を実感することができ、また、その個人をより深く知ることができます。
 私の父はホットケーキが好きなのですが、それは子ども時代に、父の姉が焼いて持たせてくれた手作りのホットケーキに由来していたのです。尋ねてみるまで知らなかったことで、父の人生をより立体的に知ることができました。友達や学生にも「食べものがたり」を教えてもらうと、思いがけない、でもその人にとっては自然体な一面が見えてきます。
 ただし、小学生の場合は「話してたくない食べものの話はしなくていい」「話したいことだけ話そう」と言い添えたほうがいいでしょう。自分で食べ物を選んだり作ったりする経験が少ない子どもには、繊細な問題を含んでいる場合もあります。話しやすい雰囲気をつくっていくことも大事だと思います。

情報を一から手づくりする

 今の子どもたちは、栄養やカロリーなど、物質としての食べ物についてはよく知っています。けれども、食べることにまつわる文化面や人間性を知るチャンスは少ないようです。
 教科書的な知識から一歩進んで学びを開いていくためには、本やネットを探しても載っていないような、自分の体験から言葉にアウトブットする手間が必要だと思います。「食べものがたり」を集めるとは、そういうことです。言語的理解(リテラシー)だけでなく、五感を使った身体的理解(オラリティ)を使い、情報を一から手づくりしていく力になると考えます。
 こうした体験があれば、社会に出たときに「答えのない問い」にも、ひるむことなく、楽しみながら情報を集めて、立ち向かっていけるのではないかと思います。
 また、一人一人の持っている「食べものがたり」を大事にすることは、一人一人を尊重し、個の存在を認めることにつながっています。「食べものがたり」は人それぞれ違い、雑多で理解できないことも含まれているからです。
 そうした平均からはみ出す「ノイズ」を面白がれる感性が、これからの社会には大切だと思います。その仕掛けとして「食」は絶好の入り口ではないでしょうか。

●聞き書き長尾康子

『週刊教育資料』No.1666(©教育公論社 禁無断転載)

 

----- 2022/5/15 -----

『学校給食』2022年6月号(Vol.73 No.811) 今月のプレゼント BOOK

 「あなたにとって『胃袋』とはなんですか?」ーシンプルな問いから始まるワークショップで、誰もが持っている食べものにまつわる物語、「食べものがたり」を見つけ、他者と分かち合い、地域や世界を考える活動へとつなげていきます。本書は、「食べること」「出すこと」から広がる探究学習の実際を、豊富な実践例で紹介。著者の湯澤規子氏は、この「食べものがたり」を通して、相手を深く理解したり、世界の仕組みやひずみに気がついたり、未来への課題を見つけたりすることもできると語ります。
 ワークショップのテーマの面白さもさることながら、著者ならではの「ワクワクを演出する工夫」がステキです。例えば、食べものとウンコのつながりを考えるワークショップでは、食べものとトイレの消しゴムが登場。立体的でリアリティーのある消しゴムに、子どもたちのワクワク度が一気に上がります。これを画用紙に置いて、矢印や文字、イラストなどでつながりを描きます。隣同士やグループで成果を披露したところで、今度は逆に「ウンコが食べものになるまで」のつながりを考えていきます。子どもたちからはどんな発想が飛び出すのでしょうか。ぜひ本書で確認してみてください。
 巻末付録には、ワークショップ実践のコツや時間配分がわかる「誰でもできる!ワークショップの始め方」も収録され、食の授業に活用できるアイデア満載です。

全国学校給食協会

 

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『週刊新潮』2022年6月30日号 週刊新潮掲示板 食べものがたり
 …忘れられない「食べものがたり」はありますか?…

関連情報

----- 2022/8 -----

NHK第1(R1)「ラジオ深夜便」に著者出演!
8月21日(日)午前4時5分~
「美味しい仕事人」(約40分)

放送後1週間は、NHKラジオのHPやアプリ・らじるらじるの聞き逃しサービスでも聴取できます

 

 

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