有機食品市場の構造分析

市場データの徹底した収集・分析から
有機食品市場の〈いま〉をリアルに描く
有機食品市場に関する本邦初の定量分析の書

有機食品市場の構造分析

日本と欧米の現状を探る
大山利男 編著
定価:2,860円(税込)
ISBNコード:9784540212949
発行:2022/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:B5変 272ページ

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 2021年5月,農林水産省から「みどりの食料システム戦略」が公表された。戦略では、2050年までに,オーガニック市場を拡大しつつ,耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大することを目指している。この春(2022年4月)には、「みどりの食料システム戦略」を推進する「みどりの食料システム法」も可決・成立した。
 有機農業の普及拡大は,国際的にも国内的にも農業政策における最重要課題の一つとなっている。本書は、その前提となる,有機食品市場の構造把握と市場規模の推計を行った画期的な研究報告の書である。
 日本と欧米の有機食品市場の動向は? 欧米のデータ収集・推計の手法は? 日本の有機食品市場の構造と規模は? 有機サプライチェーンの特徴は? 認証制度によらない有機農産物流通の現状は? 欧米の有機農業戦略は?――など、現場からの実践的な問いに答える。
 150点に及ぶ図表、500項目以上にのぼる索引から、読者はそれぞれの関心にそって読むことができるのも本書の魅力。

【編者からのメッセージ】

■なぜこのような本をまとめようと思ったのか
 日本の有機農業運動では、生産者と消費者による「顔の見える関係」や「産消提携」といった理念が掲げられ、より直接的な関係に基づいた取引が理想とされてきました。そのこともあってか、有機農業研究では事例調査(ケーススタディ)を中心とする質的研究が多く積み重ねられてきました。
 しかし、研究としては,数量データによる量的研究も必要です。ところが日本の有機農業や有機食品市場に関する数量データは十分とは言えず,全体状況やトレンドを的確に把握できているとは言い難い状況でした。執筆メンバーの問題意識はそこにあり、日本の有機農業を俯瞰できる数量データの収集・構築を目指したいと考えたのです。

■本にまとめるうえでいちばん苦労したのは
 有機農業が近年盛んな欧米諸国でも,有機食品市場に関するデータ収集や推計手法は必ずしも統一されているわけではありません。ただし,EU諸国ではデータ収集に関する共同研究の経験と蓄積があり,データの共有と比較がおおむね可能になっています。
 この本では、彼らの経験に学びつつ、日本の有機食品市場について試験的に複数の手法を用いて規模を推計しました。手法が違えば結果もそれぞれ違って当然ですが,その違いはなんなのかという要因分析(クロスチェック)が一番のポイントになったと言えますし、苦労した点でもありました。

■こんな人に読んでほしい
 この本は、有機農業に関わるすべての方や関心を持っている方に有益であると思います。
 たとえば有機農業者や新規就農を考えている人にとって、目の前の消費者を見つけることはとても大切ですが、そのためにも一般的な消費者動向や流通の実態を把握していることは大切です。
 また、他の関連する事業者にとっても事業計画をたてるうえで有益な情報になると思います。 さらに、2021年の「みどりの食料システム戦略」では有機農業の数値目標が示されました。今後は、その普及拡大状況を数量的に確認することが必要となります。有機農業および有機食品市場の数量データの重要性、必要性はいっそう高まるでしょう。その意味で、多くの行政関係者、研究者にも本書を手にとっていただけたらと思います。

編著者

編者

大山 利男(おおやま としお) 第1章、第2章、第9章執筆

立教大学経済学部准教授。著書に『有機食品システムの国際的検証:食の信頼構築の可能性を探る』(2003年、日本経済評論社、単著)、『有機農業と畜産』(2004年、筑波書房、単著)、『有機農業がひらく可能性:アジア・アメリカ・ヨーロッパ』(2015年、ミネルヴァ書房、共著)など。

 

著者

酒井 徹(さかい とおる) 第4章執筆

秋田県立大学生物資源科学部准教授。著書に『有機農業:21世紀の課題と可能性』(2001年、コモンズ、共著)、『戦後日本の食料・農業・農村 第9巻 農業と環境』(2005年、農林統計協会、共著)、『有機農業大全:持続可能な農の技術と思想』(2019年、コモンズ、共著)など。

 

谷口 葉子(たにぐち ようこ) 第3章、第5章執筆

摂南大学農学部准教授。著書に『フードシステム学叢書 第1巻・現代の食生活と消費行動』(2016年、農林統計出版、共著)など。

 

李 哉泫(い じぇひょん) 第6章、第7章執筆

鹿児島大学農学部准教授。著書に『地域ブランドの戦略と管理:日本と韓国/米から水産品まで』(農山漁村文化協会、2008年、共著)、『農業経営学の現代的眺望』(2014年、日本経済評論社、共編著)、『変貌する水田農業の課題』(2019年、日本経済評論社、共編著)、『EU青果農協の組織と戦略』(2019年、日本経済評論社、共著)など。

 

横田 茂永(よこた しげなが) 第8章執筆

静岡県立農林環境専門職大学短期大学部准教授。著書に『環境のための制度の構築』(2012年、波書房、単著)、『新たなリスク管理と認証制度の構築』(2012年、筑波書房、単著)、『農業の新人革命』(2012年、農山漁村文化協会、共著)、『「農企業」のムーブメント』(2019年、昭和堂、編著)、『地域を支える「農企業」』(2020年、昭和堂、共著)など。

 

目次

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『日本農業新聞』2022年7月10日 あぜ道書店(書評欄)
 編著者は語る 概観できるデータ収集に注力

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