自然災害が多発するなか、
「自然と人間をつなぐインターフェース」として土木をとらえ、
土木をデザインすることの意味と可能性を問う。
星野裕司 著
定価:2,970円(税込)
ISBNコード:9784540221835
発行:2022/10
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:A5変 256ページ
2000年代に入り大きな自然災害が頻発している。こうしたなか、これまでのような土木施設が引き続き必要とされる一方で、地域の環境や景観の面から再考する機運も高まっている。本書は、土木を「自然と人間をつなぐインターフェース」ととらえ、デザインを通して、こうした負のインパクトを減らすだけでなく、自然と人間の新しい関係を構築することを目指す。著者自らが関わった豊富な事例に加え、篠原修の土木デザイン論、内山節の自然哲学、ハイデガーの技術論などをふまえながら、土木をデザインすることの意味と可能性を問う。
■推薦の言葉
恐ろしくも魅力のあるもの、それは自然。その自然と付き合う方法を求めての土木・景観デザインの三つの試み。 篠原 修/景観設計・東京大学名誉教授
デザインとは「より良い」ものを求める全ての行為のことだ。「より良い」ことを標榜する誠実で新しい土木の姿がこの本には描かれている。 内藤 廣/建築家・東京大学名誉教授
川内川上流に位置する曽木の滝は「東洋のナイアガラ」と称される名勝地であるが、改修前は流下能力のボトルネックでもあった。その改善のために設けられたのが曽木の滝分水路である。
熊本市を流れる白川・緑の区間は、白川の中で最も流下能力が低く改修が必要とされていたとともに、「森の都」熊本を代表する風景でもあった。治水の改善と景観の保全、この2つの課題を同時に解決するのが、緑の区間整備事業の最大の課題であった。
星野 裕司(ほしの ゆうじ)
1971年生まれ。
東京大学大学院工学系研究科修了。専門は景観デザイン。
(株)アプル総合計画事務所を経て、現在熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター准教授。社会基盤施設のデザインを中心に様々な地域づくりの研究・実践活動を行なう。
著書に『風景のとらえ方・つくり方 九州実践編』(共著、2008年)、『まちを再生する公共デザイン―インフラ・景観・地域戦略をつなぐ思考と実践』(共著、2019年)など。
■ 書評・ネットでの紹介など ■
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●『建機グラフィックス』2023年5月号
自然と人間をつなぐ土木デザインとは? 防災・災害復興をとおし関係性を考える
●『日本農業新聞』2023年3月12日 「自然と人間つなぐ“しるし”」 評・田中尚人(熊本大学)