実践ガイド 生態学的土づくり

フレッド・マグドフ/ハロルド・ヴァン・エス 著

大規模大型機械化農業の米国で進む不耕起、
カバークロップなどの動きをとらえた、
持続可能な土づくりガイドの翻訳書。
米国では農家・指導者・研究者の必読書とされている。

実践ガイド
生態学的土づくり

フレッド・マグドフ/ハロルド・ヴァン・エス 著
山田正美 訳
日本生産者GAP協会 発行
定価:5,500円(税込)
ISBNコード:9784540231216
発行:2023/6
発売:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:B5 416ページ

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米国といえば大規模大型機械化農業が主流だが、風雨で表土が流される土壌流亡や干ばつ害が問題となっている。その米国で進む不耕起、カバークロップなどの動きをとらえた、持続可能な土づくりガイドの翻訳書。土壌流亡や干ばつ害は大型機械による集中的耕起が一因であると考え、耕さず(あるいは耕しすぎず)、地表面を緑肥などで覆う土壌管理などについて、試験データと農家事例で解説している。科学的な根拠にもとづいて実践方法が学べるため、米国で農家・指導者・研究者の必読書とされている。

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圧縮された土壌に伸びたトウモロコシの根は、土壌に根が伸びる孔隙がほとんどないため側根が見られず、十分な水や養分を吸収できなくなっている

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団粒構造の発達した土壌でのトウモロコシは、多くの根、側根、根毛、菌根菌(写真では見えない)により水と養分を十分に吸収できる

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ダイズの間にカバークロップを播種しているところ(写真:Cornell University Sustainable Cropping Systems Lab)

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ブラックオートのカバークロップマルチで栽培しているダイズ(写真:Rolf Derpsch)

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耕起のダメージを極力少なくして土壌圧縮を緩和する機械。写真は、播種前または播種作業と同時に、ナイフのような装置を使って土壌に切り込み溝を作るストリップティラー(写真: Georgi Mitev)

著者

フレッド・マグドフ(Fred Magdoff)

バーモント大学植物土壌科学名誉教授。植物・土壌科学科の学科長を8年間務め、米国農務省の持続可能な農業研究・教育(SARE)プログラムの北東部12州のコーディネーターを20年間務めました。また、アメリカ農学会のフェローであり、2016 年にはアメリカ土壌学会会長賞『土壌科学への優れた影響力と我々の科学と職業の未来への永続的な影響に対して』を受賞しています。窒素とリンの土壌検査、肥料が土壌特性と作物収量に及ぼす影響、土壌pHの緩衝、その他土壌の健全性に関する多くの問題に取り組んできました。バーリントンとフレッチャー(バージニア州)に住み、妻と2匹の犬、大きな庭、ときどきやってくる鶏の群れや小さな牛の群れと一緒に暮らしています。

ハロルド・ヴァン・エス(Harold van Es)

コーネル大学の土壌科学教授で、作物土壌科学科の学科長を務めていました。オランダのアムステルダムに生まれ、大学院進学のために渡米し、最終的には科学分野での人生とキャリアを歩んでいます。現在は、土壌の健全性、デジタル農業、環境統計学を中心に研究、教育、普及活動に取り組んでいます。広く使われているCASH 土壌健全性テストを共同開発し、Adapt-N 技術の主発明者であり、この技術は商業化に成功し、トゥレーン窒素削減チャレンジ(Tulane Nitrogen Reduction Challenge)で100万ドルの賞金を獲得しました。アメリカ土壌学会 2016年の会長を務め、同学会のフェロー、アメリカ農学会のフェローでもあります。妻とともにニューヨーク州ランシングに在住し、3人の子供を育てました。

訳者:山田 正美(やまだ まさみ)

1974 年:福井県職員となる。福井県農業試験場で環境保全、水稲の生育と気象の研究。1987年:情報システム、稲作生育診断システム等を担当。全国農業改良普及協会の普及情報ネットワーク運営委員長。1996年:農業経営研究に従事。2008 年:福井県農業技術経営課長を経て農林水産部技幹。2010 年:イングランド版適正農業規範を翻訳出版。2022年:農業情報学会からフエロー称号を授与される。現在、一般社団法人日本生産者GAP協会専務理事。

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