著者
藤井 満(ふじい みつる)
1966年、東京都葛飾区生まれ。1990年朝日新聞に入社。静岡・愛媛・京都・大阪・島根・石川・和歌山・富山に勤務し、2020年1月に退社。2011年から2015年まで朝日新聞輪島支局に駐在。奥能登の農山漁村集落をたずねてまわり、『能登の里人ものがたり』(2015年、アットワークス)、『北陸の海辺自転車紀行』(2016年、あっぷる出版社)を出版。そのほか単著に『石鎚を守った男』(2006年、創風社出版)、『僕のコーチはがんの妻』(2020年、KADOKAWA)、『京都大学ボヘミアン物語』(2024年、あっぷる出版社)などがある。
目次
- 第1章 山と海の交点
- 朝市は里山里海のテーマパーク / 海女の町は過疎知らず / 焼け野原の輪島朝市 /
漁師町の知恵が生きた避難生活 / たった1軒のこった揚浜塩田 / マツタケは製塩の副産物 /
左官のまちも塩づくりから / 日本一多彩な海藻食 /
土砂崩れで9人が犠牲 長期避難を強いられた仁江 / 珠洲原発をとめた生業と信仰 /
原発とたたかった理容師はミュージシャンに
- 第2章 風土と歴史がはぐくむ絆
- 船員のムラ、抜群の団結力で集団脱出 / ヘリで集団脱出、避難先ホテルでミーティング /
間垣がまもる「奇跡のムラ」 / 「山いけば自由、海くれば自由」 /
歴史をかきかえた網野善彦の原点「時国家」 / ため池管理で団結、限界集落のトップランナー /
災害で生きた「総掛かり」精神、「新しい寺」で未来づくり /
3粒の球根から花ひらいた能登の桃源郷 / 全村避難、無人の里でムラの終わりを覚悟
- 第3章 半島がはぐくんだ食文化
- 40年ぶり復活の在来大豆でムラおこし / 2次避難せずムラにとどまり「農」を復興 /
タラの食い残し「いさぶ」 / 発酵食「いしり」と「なれずし」 /
猿鬼の意地、無農薬ブルーベリーの里が誕生 / 里山のそば店、どん底から復活 /
輪島塗そだてた塗師文化
- 第4章 「能登はやさしや」 祭りと信仰の意味
- あんちゃんがかえってくる「キリコ祭り」 / 田の神様を自宅で接待 「あえのこと」復活 /
農耕儀礼と共有田で里づくり 能登町・山口 / 餅をけなしあう奇祭「いどり祭り」 /
漁師町は奇祭の宝庫 / コラム:祭りがつたえる生活の知恵——西山郷史さんにきく /
廃校の音楽会は男女平等の新しい祭り / 縄文の盆灯であきらめ克服 /
母ちゃんの村おこし、次世代の復興活動にバトンタッチ /
避難所の菩薩に「能登はやさしや」を実感 藤平朝雄さん
- 第5章 里山里海の可能性
- 先生がつくった小さな里山「ケロンの小さな村」 /
青年海外協力隊OBが続々「生活の知恵は宝物」 / 文明生活をすてた中谷なほさん /
里山暮らしは祈りとともに Iターン建築家一家の「まるやま組」 /
集団避難のムラに「百姓」はのこった
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