江戸時代の思想家、安藤昌益が
八戸に至ったいきさつや、当時の人々に何を伝えどう思われていたかを
『詩文聞書記』の解読を通じて詳細に解説。
昌益研究や郷土史研究に新たな視点を与え、一石を投じる。
ルーラルブックス
『詩文聞書記』から読み解く八戸での人間模様
柴垣博孝 著
定価:2,750円(税込)
ISBNコード:9784540241611
発行:2025/2
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:四六 456ページ
江戸時代の思想家、安藤昌益が八戸に至ったいきさつや、当時の人々に何を伝えどう思われていたか、仏門と昌門をめぐる思想的葛藤や、安藤昌益をめぐる様々な人間模様を『詩文聞書記』の解読を通じて詳細に解説。昌益研究や郷土史研究に新たな視点を与えるとともに、一石を投じる一冊。
『詩文聞書記』は八戸の延誉和尚が編んだ作品で、その内容は漢詩文、和歌、梵文からなる上に、危険視されていた安藤昌益にかかわる事柄であることから、全編にわたって寓意を用いて暗号のように表現され、とりわけ核心部分は梵字によって暗号化されている。
本書で国語・漢文教育の研究者である著者は、『詩文聞書記』の原文を丹念に読み込み、その背景に隠された意味を解読していく。そのことによって、その主目的が編者である延誉和尚が「自分が仏門に留まらざるを得なかったことを理解し、しかし、今でも昌益を尊敬し、その教えをすばらしいと思っていることを伝えたい」ことにあったという新しいとらえ方を打ち出している。
柴垣 博孝(しばがき ひろたか)
八戸学院大学教授。学校法人光星学院国際教育局勤務。
北海道旭川市に生まれる。青森県立八戸高等学校卒業後、二松学舎大学文学部中国文学科で国語・漢文を学ぶ。
昭和51(1976)年、青森県の教員(高校・国語)として採用される。38年間勤務し、青森県立六ヶ所高等学校長で退職する。
平成26(2014)年、八戸学院大学非常勤講師。平成28(2016)年、同准教授。平成31(2019)年、同教授。令和6(2024)年より学校法人光星学院国際教育局勤務。
専門分野は国語・漢文教育、キャリア教育。平成28年から教員免許状更新講習(キャリア教育)の講師を務めた。
著書に、『オリジナル問題センター試験 演習と解法 <国語Ⅰ・Ⅱ対応>』(編著、桐原書店)、『基礎から学ぶ 解析古典文法』(共著、桐原書店)などがある。
平成23年より13年にわたって、八戸の天聖寺住職であった延誉上人が18世紀半ばに編んだ『詩文聞書記』の研究に取り組む。