新潟県十日町市の池谷集落は
高度経済成長の流れで急激に人口が減少、
中越地震によって6世帯13名になり、誰もが廃村を覚悟した。
しかし、震災ボランティアとの交流を通じて
若い移住者が徐々に増え、
11世帯23名まで盛り返している。
住民皆で将来ビジョンを掲げて一歩一歩地道な活動を行ない、
限界集落を脱却した実話と再生のノウハウを
元地域おこし協力隊員の視点で描く。
地元リーダーである山本浩史さんのロングインビューや
住民から聞き取りもふんだんに盛り込んだ。
廃村寸前「限界集落」からの再生
著者:多田朋孔・NPO法人地域おこし
定価:2,860円(税込)
ISBNコード:9784540181160
発行:2018/11
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:四六 280ページ
■ 指出一正さん(『ソトコト』編集長)推薦 ■
「関係人口」のお手本は、
多田さんと池谷集落のみなさんにあります!
■ 明治大学・小田切徳美先生の解題より ■
これは、農山村再生という目標から、より高いレベルの都市農村共生構築への挑戦である。
多田氏のこうした実践に導かれ、政策的にも、そして研究的にも新たな目標設定が求められているのではないだろうか。
そうであれば、本書はその幕開けを宣言する革新の書に他ならない。
多田 朋孔(ただ ともよし)
第44代京都大学応援団長。経営コンサルティング会社を経て、2010年より地域おこし協力隊として池谷集落に家族で移住。
池谷集落の取り組み以外に、地域活動を促進するワークショップ、地域おこし協力隊のサポート、都会から田舎への移住支援や田舎での起業・新規事業立ち上げの支援を行う。
Forbes JAPAN「ローカル・イノベーター55選」で関東甲信越地区読者投票1位に選出。
地方自治法施行70周年記念総務大臣表彰 個人表彰「地方自治の功労者(民間人)」。
著者のブログ~「飛渡 この土地の魅力をあなたに伝えたい」より
NPO法人地域おこし
中越地震をきっかけに、2005年に山本浩史を代表として池谷・入山集落関係者を中心にボランティアの受け入れ団体として結成。当初の名称は「十日町市地域おこし実行委員会」。
2012年にNPO法人化。2017年に「NPO法人地域おこし」に名称変更。
平成23年度 地域づくり総務大臣表彰。
平成24年度 あしたのまち・くらしづくり活動賞「内閣官房長官賞」。
本書は少子高齢化と過疎化の進む地域で外部との交流人口を増やし、移住者を呼び込みながら、行政・地域住民・よそ者がそれぞれに連携して地域おこしを進めていくための参考になるものとして書きました。
第1部は実話編として、私の住む新潟県十日町市の池谷集落が6世帯13名という廃村寸前の限界集落から11世帯23名にまで盛り返し、限界集落から脱却していく過程を詳しく掘り下げてご紹介します。実際の例を住んでいる地域住民の視点から深くご紹介することで、リアルな農山村の実態をお伝えするとともに、限界集落になぜ外から移住者が来るようになり、復活していったのかをストーリーとして知っていただくことできます。
第2部はノウハウ編として、限界集落が再生していく際のポイントを整理しました。ポイントは抽象化して他の地域でも応用できるようにまとめてみました。いわゆる全国各地の表面的な成功事例を並べるというものではなく、池谷での経験を元にして、人と人との関わり方や多くの関係者をどのように巻き込むのかといったポイントを整理し、どこの地域でも応用ができるようにと考えて書きました。ポイント整理の部分では、抽象化したポイントの具体例として、第1部の実話編に出て来たことを対応させてイメージを持ってもらいやすい形にしました。これにより、ご自身の地域でもどういうポイントに注意して物事を進めるとよいのかがより考えやすくなればと思います。
ノウハウ編のポイント整理では、地域おこしの分野で多くの地域の現場に入り込んで研究している明治大学の小田切徳美先生や、震災復興からの地域おこしの現場で数多くの支援を行ってきた中越防災安全推進機構の稲垣文彦さんが体系的にまとめた地域おこしにおけるポイントと、私が都会で経営コンサルタントや組織開発のコーディネーターとして仕事をしていた時に学んだノウハウを活用したものが盛り込まれています(小田切先生、稲垣さんには本書にご寄稿もいただいています)。ですので、私の独りよがりなものではなく、きちんとした研究にも裏打ちされたものだと言えます。ぜひ、立場の異なる人がたくさん関わる際に前向きに物事を進めていくために重要なポイントとして、様々な地域でご活用いただきたいと考えています。
本書を一つの参考として、全国各地の現場で地域おこしの取り組みが前進していくことを願っています。
プロローグ~賑やかだったムラ
第1章 地震で村が変わった
第2章 集落存続に向けてむらが動いた
第3章 集落の灯を絶やさない
第1章 イベント単発型でなく、継続的に地域を発展させるには?
第2章 将来ビジョンをつくる際のポイント
第3章 移住者や地域おこし協力隊員をうまく受け入れるために
第4章 時代の転換点で今後何を目指すべきか?
[解題]地域再生の実態と理論の最前線-農山村再生から都市農村共生へ-
明治大学農学部教授 小田切徳美
----- 2021/3/15 -----
「農業を守ろうとした農学が、満蒙開拓へと日本を突き動かした」
筆者・藤原辰史さんが「農業や食に関するおすすめ本」として本書を紹介
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●『十日町新聞』2019年1月1日 「奇跡の集落」歩みと再生一冊に
●『十日町タイムス』2019年1月1日(書評)
…十日町からまさに「革新の書」が刊行されたことを、私は心から喜びたい。
(評:庭野三省・中条地区振興会会長)
●『東奥日報』2018年12月27日(文化欄・近着図書) 「人口減に立ち向かう」
●『新潟日報』2018年12月5日
「奇跡の集落」へ歩み一冊に/コメ作りや後継者育成 地域おこし活動を紹介
----- 2018/12/6 -----
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